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シスターの一口メモ

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

エズラ記第1イザヤ
歴代誌(下)イザヤ書
歴代誌(上)雅歌
列王記(下)コヘレトの言葉
列王記(上)箴言
サムエル記(下)詩編―1
サムエル記(上)ヨブ記
ルツ記エステル記
士師記ネヘミヤ記
ヨシュア記
申命記
民数記
レビ記
出エジプト記
創世記

一口メモ 〜四旬節第1主日〜

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

第1イザヤ

「第1イザヤ」という言葉は、イザヤ書の1章から39章までを指すものです。これは、アモツの子イザヤ自身が著者だと言われている部分です。

以下のように、7つの区部に分けられます。

1.1章 総論
2.2章〜12章 主に、アハズ王の時代になされた、ユダとエルサレムに対する裁きと救いの預言。マタイに引用されている「インマヌエル」の預言がこの部分にあります。
3.13章〜23章 諸外国の滅亡についての託宣。バビロン、アッシリア、エジプトなどへ裁きと滅亡が述べられています。
4.24章〜27章 「イザヤの黙示録」と呼ばれている部分で、全地が裁かれ、神の支配が始まります。貧しい人びとが救い出され、諸国民が祝宴へと招かれます。
5.28章〜31章 ヒゼキア王の時代の預言。主を畏れ敬い、他の国と結ぶ軍事同盟ではなく、主なる神にのみ頼るように呼びかけています。
6.32章〜35章 来るべき救いについて述べられています。
7.36章〜39章 ヒゼキア王の時代、アッシリアの来襲に脅える王に対するイザヤの預言と、王の病気のいやしの奇跡が語られています。

一口メモ ~年間第9主日~

聖パウロ女子修道会 Sr. 長谷川昌子

イザヤ書

いよいよ、旧約聖書の預言書の部分に入りました。イザヤ書は、旧約聖書の中では、詩編が150編あることを別にすると、66章あり、質量ともに他の書を凌いでいます。しかし、イザヤ書は、イザヤという1人の預言者が書いたものではありません。皆様がよくご存じのように、活躍した時代も違う3人の預言者の書が1冊にまとめられているものです。

そのため、次のように呼んで区別しています。

第1イザヤ  1章~39章
王に対しても発言力のある預言者で、紀元前740年~690年ごろ、エルサレムで活躍しました。

第2イザヤ  40章~55章
バビロン捕囚の時代に生きた無名の預言者で、紀元前539年前後に、捕囚の地バビロンで預言をしました。

第3イザヤ  56章~66章
紀元前538年~500年ごろ、バビロンから帰還した民に向かって預言をしています。活躍の地は、帰還後のエルサレムです。

次回から、第1イザヤから順に見ていきたいと思います。

一口メモ ~年間第8主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

雅歌

ソロモン王の歌が集められたものと言われていますがそうではありません。ソロモンの歌も含まれていますが、全部がそうではなく、紀元前5世紀から3世紀に、いろいろな時代、いろいろの地方の歌が集められ、編集されたものです。雅歌というタイトルは「歌の中の歌」を意味しています。
雅歌は、解釈者によって、いろいろな説が挙げられており、それに従って解釈されています。主なものにどんな説があるかと言いますと……

比喩説――神とイスラエル、神と教会、神とキリスト者との関係が歌われた書、という説。

男女の愛の相聞歌説――素直に、男女の愛の相聞歌として読むべきだという説。

戯曲説――お祭りや結婚式に演じられていた戯曲だったという説。

教会は、初代教会の時代から、キリストと教会との関係を表すものとしてとらえ、大切にしてきました。

一口メモ ~年間第7主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

コヘレトの言葉

1:1に、著者はダビデの子と書かれていますが、著者はソロモンではなく、書かれた時代もバビロン捕囚後の紀元前250年前後です。

「コヘレト」という言葉は「会衆を呼び集める人」「集会で話す人」という意味です。ですから、神の民を呼び集め、その集会で教訓が話され、それを集めたものという意味で、以前は「伝道の書」と呼ばれていました。

最初から「なんという空しさ、すべては空しい」という言葉が語られていますが、人生の意味を教えているものです。神を信じている著者は、この世の物は、良いものであっても、この世の幸せは空しく消え去るものであることを実感しています。この地上のすべてのもの――富、仕事、権力、学問などを否定していませんが、すべてを神に託すように教えています。区分としては、

1章~6章 著者の人生探求とその結論が述べられています。
世の中のものは、すべて移りゆくもので空しいこと、すべてのことには時があることなど。
7章~12:8 生活の知恵について語っています。
善人と悪人の運命の不公平、計り知れない運命に身を処することなど。
12:9~:12 編集者の付記

一口メモ ~年間第6主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

箴言

箴言(しんげん)という言葉自身にもあまり親しみがない方もいらっしゃるかもしれませんが、箴言の意味は、「針で刺すような言葉」、つまり「ことわざ集」のことです。本書の冒頭に、ソロモン王の箴言だと書かれていますが、ソロモン王のものも含め、古くからイスラエルに伝わっていた「ことわざ」や短い「たとえ」を中心として集められたもので、形式や秩序もなく収められています。

しかし、若者の教育のために、これらの箴言が集められており、神への信仰がその基盤にあり、信仰体験が全体を貫いています。

区分としては、5つの部分に分けることができます。

1.1章~9章ソロモン王の言葉(1)
2.10章~24章ソロモン王の言葉(2)
3.25章~29章ソロモン王の言葉(3)
4.30章アグルの言葉
5.31章レムエルの言葉

一口メモ ~年間第4主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

詩編-1

「聖書の心」と言われている詩編は、神に対する150編の賛美の歌を集めた書です。神を礼拝するために、イスラエルの民が、長さ、テーマ、形式も異なる賛美の詩編を作り、祈っていましたが、長い年月をかけてそれが集められ、最初、五巻に、そして最終的には一巻にまとめられたものです。

ですから、分類としては、5つに分けるものと、内容によって分ける方法があります。

五巻に分けるものは、

1.詩編1~41 1と2を除く3~41までは、「ダビデの歌」という表題がつけられているところから「ダビデ歌集」とも言われています。
2.詩編42~72 42~49は「コラ歌集」。50は「アサフの歌」。51~72は「ダビデ歌集」。
3.詩編73~89 73~83は「アサフ歌集」。84~89は「コラ歌集」。
4.詩編90~106 93~99は、神を王として賛美しています。
5.詩編107~150 108~110と138~145は「ダビデの歌」。111~118、146~150は「賛美(ハレル)の歌」。120~134は「都もうでの歌」です。

一口メモ ~年間第3主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

ヨブ記

ヨブ記は、神のみ前に正しい人が、どうして苦しみを受けるのか、について回答を出したり、苦しみや不幸の因果関係については触れていません。しかし、人が順境にいるときも、逆境の中にいるときも、人間の目には見えなくても神は人間と共にいてくださる、ということが描かれています。

紀元前2000年頃から伝えられていた物語を基に、ヨブを主人公にし、イスラエルの伝統に沿った戯曲のように書かれたものです。

幸福に、平和に生活していたヨブは、一瞬のうちに、子どもたち、財産を失ってしまいます。友人たちが訪ねてきて、ヨブの不幸の原因は、ヨブの罪にあると責めますが、ヨブは友人たちの考えに反発し、神のみ前に正しく生きてきたことを訴えます。

ヨブは、突然の嵐の中で、神の偉大さを直観し、神のみ前にへくだります。このヨブを神は以前にも増して祝福されます。

5部に分かれています。

第1部  1章~2章神の許可を得たサタンは、信心深いヨブの信仰が本物かどうかを試みます。
第2部  3章~31章ヨブを見舞うために来た3人の友人との対話。
第3部  32章~37章もう一人の友人エリフの言葉。
第4部  38章~42:6主なる神の言葉。
第5部  42:7~:17結び

一口メモ ~年間第2主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

エステル記

エステル記は、バビロン捕囚のイスラエルの民の中で、エルサレム帰還が許された後も、ペルシアに留まった民が陥った苦況の中で、民がいかに神に忠実に生きようとしていたか、また、その民を神がどのように救ってくださったかを述べたもので、イスラエルの民が毎年祝う「プリムの祭り」の起源を記したものです。

エステル記には、ヘブライ語とギリシア語があり、新共同訳聖書では、ギリシア語のものは、「続編」に入れられています。この二書は、主題は同じですが、先に、ヘブライ語の短い記事があり、後に、それに手を加えながらギリシア語の記事が書かれたものだと言われています。

ヘブライ語の本文の主人公は、モルデカイであり、ギリシア語本文の主人公はエステルになっています。

全体は3部に分かれています。

第1部  1章~9:19エステル、同胞のユダヤ人を救う。
第2部  9:20~:32プリムの祭りの起源
第3部  10章エステルの伯父モルデカイ、讃えられる。

一口メモ ~主の洗礼~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

ネヘミヤ記

ネヘミヤは、ペルシア王に仕えるイスラエル人でしたが、エルサレムの城壁が崩されたままであることを深く嘆き悲しんでいました。

エズラ記では、捕囚の地バビロンからエルサレムに帰還した、第1陣と第2陣について述べられていますが、ネヘミヤ記では、ネヘミヤが率いて帰還した第3陣の人びとが、敵の攻撃をかわしながら、エルサレムの城壁を再建したことがのべられています。さらに、律法を理解できるすべてのエルサレムの男女に、夜明けから朝まで、律法が朗読され、民はみな「アーメン!」と唱え、主を賛美しました。

捕囚の地から戻った人びとは、仮庵の祭を祝い、罪の告白をし、今後、律法を守って生きることを神に誓約しました。

内容は、3部に分かれています。

第1部  1章~7章エルサレムの城壁の再建
第2部  8章~10章神との契約の回復
第3部  11章~13章律法に基づく種々の改革

一口メモ ~聖家族~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

エズラ記

歴代誌に続く歴史的な出来事が描かれています。著者名は不明ですが、エズラ記、次のネヘミヤ記は、同じ人物が書き記したものだと言われています。それは、信仰に対する考え方や、表現などから推測されることです。大国バビロンが、ペルシアによって滅亡し、ペルシア王キュロスは捕囚となっていたイスラエルの民に、紀元前538年、パレスチナへの帰還を許可しました。

内容は、大きく2部に分かれます。

第1部 1章~6章  シェシュバツァルを指導者として帰還。

・1章 ペルシア王の帰還を許可する布告と、シェシュバツァルを指導者とする帰国団の出発。その際、エルサレムの神殿祭具を、キュロス王からもらい受けて帰国しました。
・2章 帰国した民の人口調査。
・3章~6章 エルサレムでの祭儀が再開され、神殿の再建工事が始まりますが、妨害を受け、工事は中止されます。しかし、工事が再開され、神殿は完成します。

第2部 7章~10章  エズラを指導者として帰還。

・7章~8章 ペルシア王に仕えていたエズラは、王の許可を得て、エルサレムに帰還しました。
・9章~10章 異民族との結婚によって、偶像崇拝に陥った神の民のために、エズラは神にゆるしを願います。民は回心し、神に従う決心をしました。

一口メモ ~待降節第4主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

歴代誌 下

歴代誌は、中心テーマを契約、神殿、祭司、礼拝、歴史における成功と失敗を述べることです。

2つに区分できます。

  1. 1章~9章    ソロモンの治世
    エルサレムの神殿建設。ダビデ王の計画とおり、その子が神殿を建てます。
  2. 10章~36章  ソロモンから捕囚までのユダ王国の王たちの治世
    ソロモン王の20人の後継者たち、つまり、ダビデ家の王たちである南ユダ王国の王たちについて、述べています。これらの王たちは、申命記の示している宗教基準のかなうかどうかによって評価されています。北王国イスラエルの王たちは、ダビデ王家に属していないため、歴代誌では抹消されています。
    29章~31章は、ヒゼキア王による神殿の修復と、過越祭を祝うことが述べられています。
    32章は、ヒゼキア王がエルサレムの住民の水源確保のために、城壁の外にある泉からトンネルを造り、エルサレムに水を引いたことが紹介されています。
    36章では、バビロン捕囚と神殿の崩壊について述べられています。
    最後の36章22節~23節において、ペルシア王キュロスが、イスラエル人に、パレスチナへの帰国を許可する布告を出します。

一口メモ ~待降節第2主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

歴代誌 上

「歴代誌」という書名は、その時代時代の記録という意味でつけられている名前です。紀元前300年頃に書かれたといわれています。そのころ、イスラエルは国を失い、エジプトの支配下にありました。著者は、イスラエルの歴史を振り返り、アダムからダビデの死までを述べています。

2つに区分できます。

  1. 1章~9章    一族と指導者たちのリスト
    アダムからダビデまでの系図を示すことにより、神の全人類の救いの計画をあらわしています。ヤコブ以後は12部族の系図を示していますが、その中心はユダ族であり、ダビデにあります。
  2. 10章~29章  ダビデの治世
    神のご計画を実現するダビデ王とナタンの預言。
    すぐれた王としてのダビデは、エルサレム神殿の建設を計画し、建築後の典礼行事までをととのえました。ここでは、ダビデ王の失敗や弱さは省略されており、成功した良い面だけが強調されているのが特徴です。

一口メモ ~待降節第1主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

列王記 下

列王記下は、北イスラエルの王アハズヤの治天下におけるエリシャの活躍と、南ユダのヨラム王の時代から、ユダ王国が滅亡する約200年間のことが書かれています。

全体を3部に分けることができます。

  1. 1章~9章   エリシャの活躍
    預言者エリヤが天に運び去られる記事と、その後継者・預言者エリシャがアラム王の司令官ナアマンをいやします。
  2. 10章~17章 北イスラエルの滅亡
    イスラエルの12部族中、10部族が北王国に住んでいましたが、神に不忠実であったため、紀元前722年、アッシリアによって首都サマリアが滅亡。民はアッシリアに捕囚として連れていかれ、代わりにバビロンなどの住民をサマリアに住まわせました(サマリア人)。
  3. 18章~25章 南ユダの滅亡
    ヨシア王の時代、神殿で律法の書を見つけ、民の全員に読み聞かせ、神との契約を守ることを誓いました(ヨシア王の宗教改革)。しかし、紀元前598年、バビロン王ネブカドネッサルによってエルサレムが包囲され、ユダの王と指導者階級の人々はバビロンの捕囚となりました。その後、紀元前587年、エルサレムは包囲され、都は滅亡し、民はバビロンに捕囚として連行されました。

一口メモ ~王であるキリストの祭日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

列王記 上

列王記の上下巻は、もともと1巻の書でした。列王記上では、ダビデ王の晩年からソロモン王の即位、その繁栄と、アハズヤ王の治世の終わりまでの100年以上にわたる断片的な歴史的事実です。歴史的ですが、宗教的な視点に立って書かれていることは、言うまでもありません。一人ひとりの王に、神への忠実という視点から判断が下されています。

全体を5つの部分に区分できます。

  1. 1章~2章   ダビデ王の最期
    ダビデの死と、王位継承の争いに勝ったソロモンの即位
  2. 3章~10章  ソロモンの繁栄
    王国の繁栄と神殿の建築
  3. 11章     ソロモンの暗影
    ソロモンが真の神を捨て、偶像崇拝の罪に陥ったこと
  4. 12~13章  国の分裂
    ソロモンの死後、王国は、南北に二分される。これはまた、宗教的分裂でもありました。
  5. 14章~22章 南ユダと北イスラエル
    アハブ王とその妻イゼベルがバアル礼拝を持ち込み、預言者エリヤと対決します。

一口メモ ~年間第33主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

サムエル記 下

サウル王の死を知ったダビデが、サウル王とその子ヨナタンのために「弓の歌」と呼ばれている哀悼の歌を歌います。

全体が3部に分かれています。

  1. 1章~10章  ダビデ王の全盛期
    南部のユダの人々が、ダビデを王として油を注ぎました。しかし、南部ユダ地方と北部イスラエルとの対立が続き、ダビデは北部も征して全イスラエルの王となりました。
    さらに、首都をエルサレムに定め、契約の箱を安置しました。
  2. 11章~20章 ダビデの罪と苦労
    ダビデは、ウリヤの妻とあやまちを犯し、自分の罪を認め、後悔します。しかし、神は「剣はあなたの家から離れない」と告げられます。
    ダビデの息子たちの争い、特に、アブサロムの反逆が描かれています。
  3. 21章~24章 ダビデの言葉、人口調査
    ダビデ王の晩年についてのいくつかのことが述べられています。
    ダビデの「感謝の歌」や神への感謝の祈り、また、人口調査をおこなったことなどが取り上げられています。

一口メモ ~年間第32主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

サムエル記 上

イスラエルが民族としての力を次第に獲得し、士師の時代から王制に変わっていく時代を描いています。

最初、サムエル記は、上下に分かれていなかったと考えられています。しかし、当時の書物の形態であった巻物のためには、1巻ではあまりにも大きくなりすぎるので、上下の2巻になりました。本書が「サムエル記」と呼ばれるのは、油を注いで王に任命する役割が重視されていたイスラエルにおいて、最初に王となった初代サウル王と2代目のダビデ王に油を注いだ、最後の士師であり、祭司、預言者であったサムエルの名が冠せられているのです。

内容は3部に区分できます。

  1. 1章~7章    サムエル
    サムエルの生涯。幼年時代から、死に至るまで、神に忠実で、神の計画を実現するための忠実な道具として、自分の使命を果たしたことが書かれています。
  2. 8章~15章   サムエルとサウル
    サウルは、神から選ばれ、サムエルから油を注がれて最初のイスラエルの王となった人物ですが、神への従順、信頼が揺らぎ、王位を失ってしまいます。
  3. 16章~31章  サウルとダビデ
    ダビデもサムエルから油を注がれて、第2代目の王となりました。サウルはベンヤミン族と1部の人々にしか支持されませんでした。ペリシテとの戦いで、サウルは戦死しました。

一口メモ ~年間第31主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

ルツ記

士師の時代を背景としたモアブの女性ルツの4章だけの短い物語です。

本書の特徴は、なによりも、神の憐れみが異邦人にも及ぶことが記されている点です。さらに、ダビデ王が、ルツの子孫から生まれることです。

飢饉のため、ナオミは夫と2人の息子と共にモアブ地方に移住しました。夫が死に、モアブの地にいる間に息子たちはモアブ人の女性と結婚しました。しかし、しかし、息子たちもつぎつぎに亡くなったため、ナオミは故郷ベツレヘムに帰る決心をしました。しかし、息子の1人の妻ルツだけは、どうしてもついて行くというので、ベツレヘムに伴って帰ってきました。

ルツ記を理解するために、当時のイスラエルの親戚の人が果たさなければならない義務について知っておく必要があります。

ナオミの夫に一番近い親戚の人が、「その人が手放そうとした土地を買い戻す義務」がありました。これは、約束の地に入って割り当てられた土地は、神から与えられた土地であり、血のつながりのない人に土地を譲ってはならないと決められていました。

もう1つ「レビラト婚」もありました。これは、夫を亡くした妻がその兄弟や親戚と結婚し、子孫もうけるという制度でした。これによって、ルツは、ボアズと結婚し、この2人の間に生まれたどもの子孫からダビデ王が誕生したのです。

一口メモ ~年間第30主日・世界宣教の日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

士師記

ヨシュアに率いられて、約束の地に入ったイスラエルの民の、その後の150年間を記した書です。イスラエルが1つの国としてまとまる前の時代で、ある地方で「士師」となって活躍したことを物語るものです。しかし、この「士師記」に取り上げられている人物は、時代も場所も異なっています。

士師とは、イスラエルが王制をとる以前に活躍した主の霊に満たされたリーダーですが、彼らは神によってイスラエルの救済者として選ばれた、軍事的・政治的指導者です。

内容は4つに区分できます。

  1. 1章~3章6節   当時のイスラエルの状況。
    約束の地で、民は、偶像を礼拝する他民族と共存するようになりました。偶像に心ひかれ、罪を犯した民に、神は他民族から支配されるという罰を与えられました。民は後悔し、神は士師を送り救われました。
  2. 3章7節~16章  12人の士師の活躍。
    12人の士師のうち、名前だけ書かれている士師もあれば、長い物語が伝えられている士師もいます。有名な士師としては、ギデオンやサムソンがいます。また、女性の士師としてはデボラがいます。
  3. 17章~18章   ダン族の移動とその聖所。
    ミカが持っていた偶像をダン族が略奪し、神殿がシロにある間、ミカの偶像を所有していました。
  4. 19章~21章   ベニヤミン族の犯行。

一口メモ ~年間第29主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

ヨシュア記

モーセの死後、その後継者としてイスラエルの民を率いて、約束の地・カナンに導いた人がヨシュアです。彼はヨルダン川を渡り、約束の地に入り、その地をすべて獲得したこと、その後のヨシュアの死が書かれている書です。

しかし、実際には、カナン入国は容易なことではありませんでした。カナンの地に住んでいる諸部族との長い戦いの末に、年月をかけて獲得していったものです。

本書には、すべての出来事は神様の導きによるものだということが、強調されています。

本書は、3部に区分できます。

  1. 1章~12章   ヨルダン川を渡り、約束の地に入る。
    ヨルダン川渡渉は、洗礼の秘跡の前表です。
  2. 13章~21章  カナン土地を分配。
    13章に、土地の分配が記されています。神から与えられた土地に住み続けることができるのは、神の民がモーセによって与えられた律法を忠実に守ることが条件でした。
  3. 22章~24章  ヨシュアの遺言とシケムでの同盟契約。
    ヨシュアは、民を約束の地に導き入れましたが、イエスは、神の民を、神の国に導き入れる方です。ヨシュアは、イエス・キリストの前表です。

一口メモ ~年間第27主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

申命記

「申命記」は、約束の地を前にして、ヨルダン川東岸に立っている民に対して、モーセが残した遺言が3つの説教の形で書かれています。過去、現在、未来を貫く神の救いの計画について、私たちに考えさせます。「申命記」には、「今日」という言葉が70回使われているそうです。申命記が朗読される時が、モーセの遺言を聞いている「今日」であるという意識と、契約を結んだ民と同様に、「今日」私たちにも生命の道を選び取るように呼びかけています。4つに区分できます。

  1. 1:1~4:43  モーセの第1の説教。
    イスラエルは神から選ばれた民であるから、神が結ばれた契約を忘れず、忠実に守るように勧めます。
  2. 4:44~28章  モーセの第2の説教。
    特に、12章から26章までは、「申命記法」と呼ばれている守るべき様々な掟が書かれている中心部分です。たとえば、偶像礼拝の禁止、食物規定、3大祭りの遵守など。
  3. 29章~30章   モーセの第3の説教。
    「み言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行う事ができる」(30:14)。
  4. 31章~34章   後継者の指名とモーセの死。
    「モーセの歌」、モーセが民を祝福する、モーセの死が含まれています。

一口メモ ~年間第26主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

民数記

「民数記」の原題を直訳すると、「荒れ野において」となります。ここからもわかるように、エジプトを脱出したイスラエルの民が、シナイの荒れ野から約束の地に入る直前までの40年間に及ぶ旅が記されています。この間、2度、人口調査が行われました。

第1回目の人口調査は、氏族、家系に従って戸籍登録がなされ、第2回目の人口調査は、兵役につくことのできる20歳以上の男性を、家系に従って調査しました。

この荒れ野での40年間は、イスラエルの民が神に選ばれた民にふさわしく成長するためでした。

内容は、民の旅に従って、3部に分けることができます。

  1. 1:1~10:10まで。シナイの荒れ野での出来事。
    第1回目の人口調査。レビ族が祭司の務めに就くように命じられます。
    主は、イスラエルの民と共に住み、昼は雲、夜は火の柱で導かれます。
  2. 10:11~21章。荒れ野での長い年月。
    民は、神に逆らい、食べ物がない、肉を食べたいと不平不満を述べ、神は「マナ」やうずらを与えて養われます。
    さらに、神に対して不平をつぶやく民に、神は毒へビを送られ、後悔した民はモーセに執り成しを願いました。モーセが主のおっしゃったとおり、青銅でへビを造り、旗竿の先に掲げ、この青銅のへビを見上げることによって人々は救われました。これは、十字架に上げられたイエスの前表です。
  3. 22章~36章。モアブの平原での出来事。
    第2回目の人口調査。
    モーセの後継者としてヨシュアが任命されます。約束の地の分配。

一口メモ ~年間第25主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

レビ記

幕屋や神殿で奉仕するレビ族の祭司たちの守るべき「おきて」として書かれた指針が、レビ記です。しかし、この書は、モーセ五書の中心とも言われており、「聖なる神」「共にいてくださる神」を教える信仰の書です。イスラエルを律法や種々の規定を守ることにより、契約の民としての信仰生活を指導するものでもあります。

5つの部分に区分されています。

  1. 1~7章   いけにえに関する規定
    焼き尽くす捧げ物、穀物の捧げ物、和解の捧げ物、贖罪の捧げ物、賠償の捧げ物についての規定。
  2. 8~10章  祭司に関する規定
  3. 11~16章 清めに関する規定
    汚れたものと清いものが区別されています。贖罪日について書かれているのもこの部分です。
  4. 17~26章 神の民の守るべき神聖法集
    レビ記の中心部分で、聖なる民であることや、隣人愛についても教えられています。
  5. 27章    買い戻しについての規定

一口メモ ~年間第24主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

出エジプト記

神が、奴隷状態に置かれていたイスラエル民族を、どのようにエジプトから救いだし、その民を神の民にふさわしく養成し、シナイ山で契約を授け、荒れ野の旅を、民とともに歩まれたかが書かれているイスラエル民族の歴史書です。

内容は4部に分かれています。

  1. 1~18章まで。エジプト脱出と荒れ野での旅の経験。
    ここには、モーセの使命、過越の小羊、種なしパンの祭り、紅海を渡ることなどが含まれています。
  2. 19~23章まで。十戒とそれに付随する細かい規定。
    神は、シナイ山において、モーセに十戒を契約として示されます。
  3. 24~31章まで。神と民との契約締結。
    民は、「主が語られた言葉をすべて行います」と神に答えます。神の住まわれる「幕屋」の準備、神に仕える人としての祭司職が定められます。
  4. 32~40章。つねに、民と共にあり、民と共に歩む神。
    金で牛を造った民ですが、神はゆるされます。この旅の間、神は忍耐深く、憐れみに満ち、民を導かれます。

一口メモ ~年間第23主日~

聖パウロ女子修道会 Sr.長谷川昌子

創世記

「初めに」という言葉で書き始められており、この世界の始まり、人類の始まり、宗教の始まりについて書かれています。よく、「創世記」を科学書や歴史書と混同している方がいらっしゃいますが、聖書は、あくまでも「神様」のことについて書かれている書として読まなければなりません。

「創世記」は2部に分けられます。第1部は、1章~11章。ここには、万物の創造、人間の創造、そして原罪のことなどが取り上げられています。よく、子どもの絵本などに描かれているノアの箱舟の物語も、この部分に出てきます。

第2部は、12章~50章。神が人類の歴史介入され、神は「救いの計画」を実現しようとなさいます。神はアブラハムを選び、祝福されますが、その祝福は、アブラハムの子イサク、次いでヤコブへと引き継がれていきます。ヤコブが神から「イスラエル」という新しい名前を与えられ、ヤコブの12人の子どもたちがイスラエルの民と呼ばれるような民族に成長していきます。ヤコブの子どもの一人・ヨセフの物語によって、イスラエルの民がエジプトに移住した次第が物語られています。