ウェア U

釣りに行くとなると、普段着ているものの他に、状況によっては、
ちょいと特殊(?)な衣料品が必要になってくるわけです。

Tでは、代表的なものを中心として説明しましたが、
Uでは、その続きと、ちょっと用途が限定された物を御説明。



U−1:フィッシングタイツ&鮎(渓流)タビ

これは、主に川釣り、特に、鮎釣りで使用されている濡れることが前提のウェアで、
ウェットタイツとも言い、簡単に言えば、下半身だけのウェットスーツです。
基本的に、足首から下が付いて無いので、フェルト(もしくはピンフェルト)ソールのタビ、
もしくは、川釣り対応のフィッシングシューズと併用します。
ソールは、ウェーダーよりも、簡単に張替えられるタイプが多く出ているので、
交換が早く出来て、とても便利です。
全体に、タビの方を使用する人が多く、普通、裸足か、ソックスをはいて履きます。

現在、渓流(エサ)釣りでは、スリムウェーダーが主流となっているので、
鮎用と思っている方のほうが多いかもしれません。

理由としては、間違い無く濡れるので、まだ水温の低い渓流解禁時からしばらくは、
使用することが無い為だと思われます。
鮎シーズンともなれば、水温も上昇してくるので、鮎・渓流釣り共にされる方なら、
その時期だけ、渓流釣りで使うかな?って所です。

このタイツは、ほぼ100%といって良い位、ネオプレンなど、ゴム系の素材で出来ており、
体型にあった、既製品、もしくは、フルオーダーで購入します。
スリムウェーダーのフルオーダーよりも安価な為、オーダーする人も多いようです。
とは言え、タビ、もしくはシューズも併せて購入する事になるので、安いとはいえないかも。

ウェーダーとの大きな違いは、体にフィットしている為、水の抵抗が少なく、
流れの影響による動きの制限が少ない為、より深い所に立ち込む事が出来、さらに、
タイツ内に空気がたまる事は無いので、もし、何らかの要因で転倒したとしても、
ひっくり返る事も無く、泳ぐ事が可能!と言うことです。
慣れないと、多少、履いているタビ、シューズの影響で、泳ぎにくいかもしれませんが・・・

それと、最初から『濡れる事が大前提』なので、『濡れない事が前提』
ウェーダーよりも、濡れて当前な分、無理をしないので、遥かに安全といえます。
それと、真夏は涼しくて快適です♪

価格は、タイツがだいたい、ツルシで¥5,000-〜¥30,000-。
オーダーは、¥20,000-〜で、メーカー次第って所。
タビは、¥5,000-〜¥15,000-で、シューズはそれよりちょっと高め。
(シューズを選ぶ場合、川釣り対応でないと、砂が入り込んでとても痛いので注意)
合わせると、ちょっと高いかもしれませんが、両方同時に消耗するわけではないので、
長い目で見ると、それほどではありませんよ、太らなければ♪

ちなみに、自分では、タビの方は二足目ですが、タイツは10年前に作ったフルオーダーを、
いまだに使っております。(体型維持!!)
フェルトは、5回くらい変えたけどね。

もし、鮎釣りをするのであれば、これを購入する事をおすすめいたします。


U−2:サングラス

釣りで使われるサングラスは、主に、『偏光レンズ』と呼ばれる、
目に入る、光の乱反射を、できる限り遮断するレンズを使った物が、
主に使われております。

簡単に言えば、水面のギラツキをカットし、ある程度の水深・透明度ならば、
水中を見通すことができると言う、とても素晴らしいサングラス。
とは言っても、天候や、濁りなどの影響は、必ずと言っていいほどあるので、
スカッとよく見えるって事は、ほとんど無いですが・・・

構造は、メーカーや、そのグレードによって多少変わるかもしれませんが、
基本的に、『偏光フィルター』と呼ばれるフィルムを、ガラス、もしくは
硬質プラスティックのレンズ二枚で挟み込んで作られております。
なので、長期間の使用や、使用後の手入れ、保管が悪かったりすると、
この接合がはがれてしまい、役立たずになったりしますので注意。

価格も様々で、安い物は¥1,000-位からありますが、あまり質がよくないので、
(レンズに歪みがあったり、傷が付きやすい)
まともなメーカーの、定価で¥5,000-以上の物がおすすめです。
個人的に、今まで使った感じでは、やはり高価なものほど、性能が良いのですが、
AXEってメーカーのは、比較的、安くてもまずまずの性能です。

レンズのカラーは、グレー(スモーク)ブラウン系が多く、
他に、イエローブルーグリーンレッド系のレンズもあります。

  グレー(スモーク)ブラウンは、オールラウンド。
  どちらかというと、グレー(スモーク)系は、好天時や、あまり暗くない薄曇に強く、
  ブラウン系のほうは、グレーより、比較的、曇天にも適しているようです。
  イエローは、薄暗い時間や、悪天候時に効果を発揮します。
  車のイエローフォグライトのイメージです。
  ブルーグリーン系は、グレー系に近く、レンズを通した水面の色が、
  裸眼で見る色と近いので、水色を気にする釣りには向いています。
  レッド系は、ブラウン系とほぼ同じかな?

使用目的は、普通のサングラスと同じく、眩しさ軽減は当然として、
ナイスなレンズの特性を活かし、水中の地形の変化を見つけたり、
釣り糸や、仕掛け類の動きを確認する事にも使用しますが、
一番重要なのは、『突然のトラブルから目を守る』事にあります。

釣りをしていると、必ずといっていいほど起きる現象、
『根掛かり』
これがおきると、普通、釣り糸を引っ張り、無理矢理外すか、それでダメなら、
そのまま釣り糸を切ってしまいますが、そのとき、釣り糸のテンションが、
思いっきり掛かった状態で、根掛かりが外れたらどうなるか・・・・・

遠くの方、もしくは深場での根掛かりなら、それほど問題は無いと思いますが、
もし、これが、すぐ目の前で起きたなら??
当然、すごい勢いで、引っ張っている本人に向かって水中から飛び出し、身体に激突。
これが、まだ軽いものならまだしも、オモリやジグ類など、非常に重量のある物だったら、
運が悪けりゃ、とってもステキな怪我を負うかもしれませんね。
それこそ、眼球直撃なんてしたもんなら・・・・・・・・もう、笑い話にもなりません。
これは、結構ある事例で、釣りの大会によっては、必ず着用しなければならないと、
規定によって定められている場合もあります。

もちろん、自爆事故だけでなく、近くで釣りをしている他の人の、
根掛かりロケットランチャーや、キャスト切れロケットを喰らったり、
キャスト時の周囲確認不備を喰らい、魚紳さんになっちゃう事もありうるので、
サングラスをするに越したことは有りません。

あると何かと得するので、一つくらいは持っていても損はしないと思います。
欠点は、度入りで作ると、ステラが買える位かかったりする事と、
夜釣りでは、何の役にも立たないってとこかな??


U−3:フィシング・グローブ

これはもう、特に説明の必要もなさそうですが、その名の通りの、釣り用手袋。

一番の特徴は、指先が露出できるように、カットされていることかな?
親指・人差し指がカットされた2本切り
親指・人差し指・中指がカットされた3本切り
それと、全てカットされた5本切り
の三種類が中心。
一部、切られてない物がありますが、ジギンググローブなど、極限られています。

切られている理由は、これはもう、糸結びなど、細かい作業をするためで、
冬用でもカットされている物がほとんどです。

使用用途は、釣具のすべり防止としても効果がありますが、やっぱり、怪我防止と、
寒さ対策が中心となると思います。
冬用グローブに関しては、指は全部付いているけど、内側に切れ目があり、作業する時だけ、
そこから指を出して使えると言う、スグレモノもあります。
これは、冬の寒さがきびしい東北以北では、非常にありがたいです。

素材は、合皮・ネオプレン製のものが多く、そのほかには、本皮の分厚い奴や、透湿素材、
細かいメッシュ系の素材と合皮を組み合わせたのもなどがあります。

基本的に、釣り用ですので、濡れてもOKな素材で出来ているのですが、
ほっとくと、くっさ〜〜〜くなったり、カビるので、手入れは必要です。

使わなくても問題は無いのですが、磯場の釣りや、オフショアフィッシング、
それと、藪を越えるような釣りにはあったほうがいいと思います。
ちなみに、自分では、4っつほど持っており、状況に合わせて使い分けてます。


U−4:帽子

これも説明はいらなさそうですが、日差しや、寒さから守るほかに、釣りの場合、これまた、
安全対策の意味合いが強いです。

ルアーフィッシングをする人に多いのですが、ルアーをキャストする際、
ルアーの構造上、他の釣り具(仕掛け)よりも、フックが露出している物が多いため、
間違って、自分を釣ったり、他人を釣ったりする場合が出てきいます。
その際、結構起こりやすい事例が、頭部を釣っちゃうパターン。
帽子をかぶる事で、これを未然に防ぐ、もしくは、万一刺さっても、
怪我の度合いを軽減する事が可能なので、必ず着用するように心がけましょう。

ちなみに、こう書いている私も、帽子をかぶっていたおかげで、助かった事が数回あります。
特に、狭い船上で行う、オフショアフィッシングでは、かぶった方が身のためです。
特に、メタルジグなんか喰らうと、痛いじゃすみません。

別に、釣り用じゃなくても問題ないので、お好きな物を選んでください。
ただ、釣り用だと、透湿素材を使った、防水性の高いものが多いので、
「雨の日にも俺は行くぜ!!」という、アツイ人は、釣り用を持っててもいいかも。
最近、だせぇの減ってきたしね。


U−5:フローティングベスト

これは磯釣りと、船釣りには欠かせないアイテム。
ライフジャケットともいい、日本語で言うところの、『救命胴衣』になります。

磯釣りは絶対と言っていいほど着用します。
船釣りの人の中には、着用していない人もいるようですが、それは法律上、乗船時は着用が
義務付けられている事ですので、着用しなければいけません。
落ちたら、まず足はつかないので、助けを待つ間だけでも楽に浮いていられると思って、
着用する事をおすすめ、つーか、着用してください。

ちなみに、船舶で使用する場合、法定基準という物がありまして、それをパスした上、
認可をとった物だけが、船舶の『法定備品』として使用(装備)できるのですが、
ある程度、しっかりしたメーカーの物であれば、認定証が無くとも着用してOKでしょう。

これにはちょっと理由があって、釣具メーカーで作られているフローティングベストは、
船用というよりは、磯釣り用として作られている物が多いため、厳しい基準に合わせて、
認定をとる必要が無いからです。
とは言っても、安全性は十分に有り、ほとんどの物は、7.5kgを24時間以上
水面より高く、浮かばせる事ができるように出来ております。

  (7.5kgを24時間以上 → 人間の平均的頭部重量より重い物を
                 24時間以上浮き上がらせる事ができる。
                 つまり、首より上が、平水時であれば、
                 24時間は水没しない、と、言うことです。)
磯場(テトラを含み)での釣りに使用する場合、落水後、身体を岩場などとの接触、
激突から保護するという意味合いも持っております。
経験者によれば、ぶつかると、とっても痛いそうです。

結構、かさばる物ですし、動きが抑圧されるので、着用を嫌がる人も多いのですが、
最近の物は、人体工学に基づき、立体整形された浮力材を使うなど、動き易くなっており、
同メーカーの物が原則とは成っているようですけど、レインウェアや、
防寒着などと合体できる物が多くなり、上手く組み合わせさえすれば、
それほど不自由なく、行動する事ができるようになっています。
(シマノで言う、コンビネーションシステムですな)

も1つ、嫌がられる点で、夏場、これを着ているとクソ暑くてやってらんね―――――!
ってことがありますが、通気性を十分確保した物も多く、だいぶ快適に成りました。

それでも嫌な人は、最近、「国土交通省形式承認」をとっているものも増えた、
普段は、ほぼサスペンダー状で、落水時、圧搾空気により自動、もしくは手動膨張させる、
『ラフトジャケット』などと呼ばれる、膨張式ライフジャケットも出ておりますので、
¥20,000-くらいの物が多いですが、そちらをおすすめします。
(飛行機に乗ると、必ず説明を受ける、例のアレみたいな奴です)

ちなみに、うちの釣行記によく出てくる、最近、妙に有名な「CO2」こと塩津紀彦と、
オレサマも、このタイプを使用しておりますが、非常に快適です。
泳げない人には、自動膨張タイプをおすすめします。

だいたい、メーカー品だと1万くらいからですが、磯釣り、防波堤釣り、船釣りなど、
落水すると、ちょっと大変!って釣りをされる方は、
「身を守る為の保険!」
くらいに思って、できるだけ良い物を購入する事をお勧めします。


U−6:フィッシングベスト

これは、フローティングベストとは違い、安全面よりも、便利さ、使い易さを追求した、
釣りのために作られたベスト。
素材は、防水性の高いナイロン系や、透湿素材系、綿・ポリエステル混紡と様々で、
中には、オールメッシュタイプなんてのもある。

タイプは大きく分けて二種類。
主に、渓流、鮎、フライフィッシングに使われる、スタンダードなタイプと、
ルアーフィッシングや、近年人気のエギングに使われるタイプがある。

● 渓流、鮎、フライフィッシング用

スタンダードなタイプで、べつにどんな釣りに使っても、一切問題は無いのですが、
渓流や鮎、フライフィッシングなど、極力、荷物を最小限にとどめたい釣りのため、
多数のポケットを装備し、それにいろいろ突っ込めるように出来ています。
つーか、ナニに使って良いか判らない程、大量にポケットがついている。

これがまた、結構考えられており、鮎・渓流用のものは、大手メーカーのものなら、
同社製のケース等が、ぴったりと収まるように、ポケットが形成されていたり、
暑さ対策として、背中部分の表生地が、取り外し可能なタイプが多い。
フライフィッシング用のベストなんかは、それこそ、めちゃくちゃポケットがあり、
背中には、レインウエア収納用大型ポケットが付いていたりする。

価格は様々で、上は、¥30,000-以上と、なかなかいい値段がしますが、
安い物は¥2,000-を余裕で切ったりもします。

その昔、街着で着るのに流行った事があったなぁ・・・・・・・・・...( = =)

● ルアーフィッシング・エギング用

通称、『タックルベスト』とか呼ばれているタイプです。
これもまた、どんな釣りに使ってもOKですが、それ用として出ているものが多いので・・・
スタンダードな物とは違い、こちらは、大型のポケットが2〜4個ほどついたものが中心。

価格帯は、スタンダードな物ほど幅広くは無いですが、平均すると、こっちの方が易く、
¥3,000-〜¥8,000-位のものがほとんど。
いろいろオプションがあるモデルも出ており、自分好みにカスタマイズする事も可能です。

用途というか、作られた目的は、スタンダードなフィッシングベストと同じだけど、
どうしても、ハードルアー類は、そのままだと、カバーを付けても絡まり易い為、
決して小さくは無いサイズのケース類に入れて持ち歩くことが多いので、
それの出し入れや、収納力を考えて、大き目のポケット少数のみに絞られているわけです。
それと、渓流・鮎・フライのように、細かい物をいっぱい持って歩かないって事も、
ポケットが少ない理由かな?

ほとんどの物を身体に付けて歩けるので、機動力はバツグンなのですが・・・・・・
肩ベルトが、ちょっと太いサスペンダーくらいなので、あまり重い物を入れすぎると、
もれなく肩こりが付いてきます。

自分は、なぜか、スタンダードなタイプ4着、タックルベスト2着持ってますが、
出動回数が多いのは、フライ用と、鮎用ですね。
ルアー中心の人は、ウエストバック系が多いかもしれません。

どちらを選ぶかは、使う人次第ですので、いろいろ見て歩く事をおすすめします。

中野釣具店
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