リール
昔、リールを使う釣りと言えば、ほとんどの場合「海釣り」でしたが、
近年、ルアーフィッシングなどの普及により、
フィールドを選ばない釣り具になりました。
それによって、リールのタイプ自体は変らないのですが、
様々な対象魚を、更に釣りやすく、使いやすい機能を備えたリールが、
数多く販売されるようになりました。
しかし、多様化した分、なかなか選ぶのが難しくなってもいます。
それぞれの特徴を理解して、対象魚、釣り方にあったリールを選んでください。
スピニングリール・・・
たぶん、全国の釣り人口の中で、一番使われていると思われる。
扱いが非常に楽なこともあり、様々な釣りに活用されている。
「投げる」釣りと非常に相性がよく、竿の性質にもよるが、
かなり軽い物でも投げられ、遠投力もある。
構造は複雑。と言うよりも、
「真直ぐなものを、90度曲げて巻き取る」
と言う、力の伝達効率が、非常によくない構造になっている。
しかし、最近は、ギアや、素材の加工技術、精度が飛躍的に進化してきた為、
かなり大型の魚とのかけ引きが可能になった。
ただし、構造上、糸に負担もかかり、縒れが生じやすく、
それによるライントラブルも起きる。
大きさも様々で、いろいろな釣りにあわせて選ぶことができる。
両軸リール・・・
スピニングリールの対極にあるリール
非常に力の伝達効率がよく、深場の釣りや、重い仕掛け、
大型魚狙いの釣りによく使われる。
バリエーションが豊富で、様々な釣りに活用できるものから、
その釣り専用的な使い方をするもの、カウンター(水深計)付きや、
電動で動くものなどがある。
「巻き上げる」ことに重点をおいているものが多く、
一部の釣りを除き、「投げる」釣りに利用されることが少ない。
投げることは可能だが、ちょっとしたコツが要り、慣れが必要。
小型軽量のものから、超大型サイズのものまであるが、
ラインキャパシティ(糸巻き量) や、釣力に対すると、
スピニングリールに比べ、かなり小型である。
「まっすぐに糸を巻き上げる」構造なので、糸に対する負担は少ないが、
糸を送り出す際、スプールの回転が糸のスピードを超えてしまうと、
「バックラッシュ」と呼ばれるトラブルが発生するので、
指又は、リール本体にあるブレーキシステムなどで調整してやる必要がある。
これがひどいと、その糸は使い物にならなくなるので注意!
ベイトキャスティングリール・・・
これも両軸リールなのだが、主にルアーフィッシングに使われるものをこう呼ぶ。
バスフィッシングや、トラウト、オフショアフィッシングなどで、ヘビーカバーを狙う場合や、
「巻き抵抗の大きいルアー」を使用する際、よく使われる。
通常の両軸リールよりも、小型軽量のものが多く、
「遠心ブレ−キ」や「マグネットブレーキ」といった、
「投げる」ための補助システムを装備しており、慣れは必要だが、投擲性が向上している。
特に、バスフィッシングや、雷魚狙いには必要不可欠なリールである。
バックラッシュを嫌い、使用を避けている釣人も多いが、結構すぐなれる。
プロと呼ばれる人でも、必ずやることなので、あまり気にしなくてもいい。
その他の特徴は、両軸リールとほぼ同じ。
ちなみに、
「バックラッシュ」
を
「バッククラッシュ」
という人がいるが、それは大間違い。意味がまるっきり違う。
『RUSH』は『突進する』とか、『勢いよく行動する』と言う意味。
ラインが勢いよく、後ろ(反対側)に出て行くことを指す。
けっして『CRUSH』するわけではない。
バックラッシュするたび、ぶっ壊れるのでは、たまったもんじゃない。
(たまに、マジで壊れるが・・・)
フライリール・・・
その名の通り「フライフィッシング」に使われるリールなのだが、
そんな御大層な物では無く、よほどの大型魚狙いでもない限り、
国内の使用では、ただの「糸巻き」として使われ、糸は自分の手で手繰る場合が多い。
こんな事を言っては、フライをやっている人に怒られそうだが、
そういう使われ方をしているのが現状。
かく言うわたしも、ほとんどの場合そのような使い方をしている。
基本は、ギア比1:1、と言うか、スプールを直接まわして巻き上げるので、
あくまで釣りに使うためのリールの話だが、理論上最強の巻上げ力がある。
意外と種類もあり、海水対応のものや、ディスクドラグ装備のもの、
2スピードモデルなどもある。
似たようなものに、クロダイ釣りに使われる
「落とし込みリール」「ヘチリール」(いわゆる太鼓リールである)や、
キングサーモン釣りなどで使われる「ムーチングリール」などがある。
富士工業でだした「富士プラスティックリール」シリーズはあまりにも有名。
逸品である!でも、惜しむらくは、ほとんどのモデルが廃盤になってしまったことだ。
【 注意! 】
最近のリールは、非常に複雑な構造をしています。
簡単な整備なら構いませんが、分解整備は、できるだけ、
メーカーのアフター部門に任せたほうが得策!
かなり小さな部品も多く、一つ無くしただけでも
正常に動かなくなる場合があります。
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