2006.6
2006.6.8   



  庭のあじさいが花を咲かせる準備をしています。
曇り空、雨模様が続いて、私のすむ地域でも梅雨前線がもう、
すぐそこまで来ています。

 湿度が高いときに描く水彩画は、空気が乾燥している時期に
描くものとはまた違う楽しさがあります。乾燥しているときは紙に
あらかじめ水を多めに塗ってにじみ具合などをコントロールします。
でも、すぐ乾燥してしまうので、「早くしなきゃ!」と少しあせりな
がら仕上げることも多いです。
 一方、この時期は、計算しきれないほど乾きが遅いおかげで
ゆったり制作できます。そして、思いがけない効果が得られること
もあります。
「湿度が高いおかげで予想外のできあがり♪」と喜んでいたら、
「偶然性に頼っているうちは画家とはいえないよ」と、ある作家に
言われてしまいました。
 
 いいのです(笑)
たぶん、自ら「画家」と名乗ることはないと一生ないと思います。
制作を続けることができて、「絵描きです、絵描いてます」って
言えることの方が、私には大切なことです。
 明日は雨、感謝しながらまた筆をとることにしましょう。


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2006.6.19



 木版画はがきの第1作目が「しだれ
 桜」でした。これが思うように仕上
 がっていなかったら、今ころ水彩画
 だけに専念していたかもしれません

  前回の日記で、「偶然性に頼っているのでは」と言われた話を
書きました。いろいろメールを下さった皆さま、ありがとうございます。
まだまだ私は成長途中!偶然性を楽しむこと=今の技法だけに
固執しないでいろいろ試していくこと。そういった姿勢で制作を続け
ていきたいと思います。

 でも、偶然って偶然じゃなかったかも、と思うことが多々あります。

 ねらっていたバスに乗り遅れて入った本屋さんで、何気なく手に
とった本。ペンと水彩絵具で絵を描く方が書いた本。睡眠時間がなくなっ
ても描きたくてたまらない気持ちに拍車をかける本でした。
 
 描きたくて描きたくて、会社辞めて絵描きになりたいと悩み始めたとき
に ふと つけたTV。西条秀樹の「ヤングマン」が流れていました。
「♪若いうちは〜やりたいこと〜、な〜んでもできるのさ」
そう!そうだよね!!!この歌詞を泣きながら聴きました。数ヵ月後、
会社を辞める決断をしました。
 
 水彩画を描き始めて、その絵をパソコンに読み込んでレターセット
を作ってはお便りに使っていました。でも、コピーじゃない方法で何か
作れないかな?そう思ったときに気づいたのは、通っている絵のアト
リエの先生の本職は版画家であったこと。教えてもらわない手はあり
ません。そうして、木版画を始めるようになって、1枚1枚が手づくりの
葉書を作るようになりました。

 こうして書いていたら今までの、いろいろなきっかけをたくさん思い
出してきました。どれもありがたい偶然。偶然かなあ?神様のお告げ
だったかもしれません(笑)
続きはまた次回に。


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2006.6.29


〈芽の輪〉 
 

 2006年も早くも折り返しとなります。
明日は「夏越の祓」。疫病や災厄を祓い、個人の半年のけがれを祓う
行事です。近くの神社で今年も「芽の輪」をおいてくれています。ここを
くぐることで祓い浄め、また「水無月の 夏越の祓いする人は 千歳の
命のぶとこそ聞け」と歌われているように、延命や、その年後半の無病
息災を願ったりもします。

 神社へ行ったあとのお楽しみは、やっぱりおやつ♪
その名も「水無月」をいただきます。今では年中見られるようになりまし
たが、以前は6月にだけ会えるお菓子でした。私にとっては、大福と
ならんで1、2位をあらそう大好物!やっぱりこの時期にひんやり冷や
していただくのがなんともいえません。
 ところで、たくさん雨がふるのになぜ「水無月」なのでしょう?
「無」は、「の」を意味する格助詞「な」で、田んぼに水をひくから「水の
月」という説があります。
 また、別の説としては、地に雨がたくさん降ることで天に水がなくな
るからだともいわれます。同様に「神無月」は、出雲に神様が集まる
時期で、天に神様がいなくなるからだとか。出雲では「神在月」だそう
です。天の視点で名づけられているようで、私としてはこちらの説の方
がおもしろいなあと感じています。

 今年の後半も忙しくなりそう。毎日を大切に過ごせますように。
皆さまも体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

〈水無月〉


200606